「じゃあそろそろ行かなければ。」
「はい。じゃあね、葵」
「え、ちょっとま…」
颯爽とプライベートジェットに乗り込む様子をぽかん…と見つめる私。
そう言い残してふたりは旅立っていきましたとさ…
ちょっとあっさりしすぎじゃない…?仮にも娘との別れなのに…!
「…あ、あの、大神くん、よろしくね」
「あー、うん。とにかく俺の部屋来て」
「あ、うん、わかった!」
大神くんの大きな背中を見ながら階段を上る。
大きな大きな階段。
「朝倉さんの部屋はここ。俺の部屋の隣」
大きなキングサイズのベッドと机、観葉植物などいろいろなセンスのいいものばかりが置かれている。
「わっ、きれい…」
窓からはキレイな街並みが望める。
「おいで朝倉さん」
「あ、うんっ」
おいでだなんて女子は胸きゅんだね!
そして大神くんの部屋に入った。
私の部屋と同じような造り。
ガチャッ───────


