その頃、詩乃と奈々のまわりの会話というと……。
「来たぞ!『二人の姫が』!!」
「ほんとだ!やっぱ、可愛いよな〜」
「あれで彼氏居ないのが不思議だよ」
「俺は『眠り姫』の奈々さん推し!」
「えぇ〜!!俺はもちろん『歌姫』の詩乃さん!!」
「わかる!あのサラサラな黒髪に映える色っぽい赤い唇に出てるところは出てる感じ!!」
「しかも!毎回テストでは1位の頭脳の持ち主で運動もできて優しい!!」
「「「「彼女にして〜!!」」」」
などという会話がされているのを知るは詩乃以外の皆んな。
「詩乃は鈍感だな〜」
「奈々、なんか言った?」
「なんでもないよ〜」
「そっか!クラス発表みにいこっ!」
「は〜い」
鈍感な詩乃さんだな〜
と一人心の中で思っていた事を私は知らなかった。
