4月10日の奇跡





校舎に近づくにつれて懐かしい顔がたくさん見えてきた。

久々に挨拶を交わす。


「おはよ〜!ひさびさ!」

「あっおはよう!詩乃と奈々」


新学期特有の雰囲気のある挨拶を交わしていく。
久しぶりの学校ということもあり、皆んな浮き足立ってるのがわかる。


そんな中私は気付いたことがあった。


「ねぇ奈々。
周りがザワザワしてない?しかも、なんだか私たち見られてる気がするんだけど…。」

「う〜ん、そうだね〜」


奈々は気にしてないようだから、いいんだけど、私、変な格好してるとかだったら嫌だな。



スカートめくれてるとか!?

顔によだれついてる??


思いつくところを確認していくが、異常は無さそう。



もしかして自分の見えないところに…!

そう思った私は思い切って奈々に聞いてみた。


「ほんとに私の変なところない?」

「大丈夫だよ〜」


少し意外な答えをくれた奈々が少し笑っているのに気づかなかった私。


でも、さっきと変わらず見られてる気がする。

なにより、私たちを見てなんか喋ってる。


う〜ん、わからない。
気にしてもしょうがない。


と思い再び下駄箱に向かって歩き出した。