…………なのに。

それからというもの、私の状況は最悪を期した。

まず萌々は、私の“見せしめ”に屈しなかった。
堂々と前を向いていた。

そして、そんな萌々には味方ができた。
もう“見せしめ”は通用しない。

私たちは孤立した。

由紀は萌々についたので私たちは3人になった。

由紀のことは残念だけど、私にはめぐとナツがいるから大丈夫。
そう、自分に言い聞かせた。

しかし、学校で3人だけで過ごすのは結構不自由だ。
いつの間にか、私たちには笑顔が消えた。

その間、ナツはしきりにあたりを伺っていた。

…………羨ましそうに。

だから『ハナシがありマス。』そう言ってきたときに、予想はできていた。

私には、めぐだけが残った。

めぐは私のそばを離れない、そう思っていたのに…………。

彼女も目の色を変えてしまった。
別れるとき――このときばかりは冷静さを取り繕うことは出来なかった。

「なんで!?どうして離れてくの!?めぐまで離れたら…………私……一人ぼっちになるじゃない。嘘よね?冗談よね!?だってあの時、あなたは『一生私はほずちゃんの傍にいる。』って言ったじゃない…………!」

私は頭を掻き回しながらめぐに訴えかける。

 「…………そんな昔のこと、もう忘れたよ。」

…………言い切られてしまった。


終わりだ。