俺の1日は萌々に会うことから始まる。

日が傾きカラスが鳴く頃。

『レイさん!』

彼女はいつも笑って俺に会いに来る。

土曜日と日曜日はもっと早く、空気が太陽が空気を温め始める頃にはドアが開く。

なのに……

今日はやけに遅い。

せっかく早く起きたのに……

俺は遮光カーテンの隙間から陽の光が漏れていることも気にかけず、萌々をひたすら待ち続ける。


そして俺は、今相当飢えている。

のどが渇いて仕方がない。

あぁ、萌々に会いたい。

あいつの血が欲しい。

あいつが……欲しい…………!

俺は待ちきれなくなり、玄関に向かった。

飢えている日はいつも窓からだが、今日はなんとなく玄関から出た。

  ガチャ――

萌々の家の前で、萌々は立ちすくんでいた。
俺に気がつき萌々は慌てて振り向く。

……彼女と目が合わない。

なんだか焦っているようにみえる。

「あ〜っと、ちょっと…………一旦家入るね!」

 そう言うと、彼女はそのまま家に戻ってしまった。

不思議に思っていると、不意に風が吹き、そして止んだ。

あたりは静まりかえり、レイは人の気配を感じて柵から下を見下ろした。

見えたのは男女2人の後ろ姿だった。

俺はこの姿に見覚えがあった。

あいつら……ハンターじゃないか?

でもどうしてここへ?

この区間は調査対象には入らないはずだ。
にも関わらず、あの2人はハンターの正装を纏っていた。

いやな考えが頭に浮かぶ。

まさか……まさか、な。