「それからは開けてない。」

「・・・・・・」

萌々はどう反応したらよいかわからない、そんな顔をしている。

俺はそんな萌々の頭をクシャっと撫でた。

「そんな顔するな。俺だって怖い。・・・お前をいつまた俺の都合に巻き込んで傷つけるかわからないんだ。だが、それでも一緒にいたい。・・・・・・守るから・・・。」

今度こそ、絶対守り抜く。

もう誰も犠牲にさせない。

「萌々を離したくない。・・・これは俺のわがままか・・・?」

そしてその柔らかい頬に触れる。

「わがままなんかじゃないよ・・・」

そう言って俺に触れた彼女の手は、いつもより少し冷たい気がした。