セオさんに外の監視をたのんでレイとふたりで外へ出た。

ハンター達は私達を見たあと、感情のない声で「ようこそおいでくださいました。どうぞ中へお入りください。」といった。
私はその言い方に少し腹を立てながらも目の前の大きなドアを見つめる。
ドアは大きな音を立ててゆっくりと開かれていく。
そしてドアの動きが止まったあと、私とレイは本部に足を踏み入れた。

息をすることも許されないかのような空気に緊張を覚えながら、案内されるがままに歩く。
案内人が立ち止まる。
いつの間にか目の前に来たドアからは微かに声が漏れていた。

ドアを開けると、先程までのざわめきが嘘のようになくなった。
部屋中の全ての人がこちらを見ているのだ。
いや、こちらというよりは、レイを。

会場の空気が一気に張り詰めたようになる中で、堂々とこちらに向かう姿があった。
夕月可憐と夜神徹、学校の生徒会2人だ。

2人は私に軽くお辞儀をすると、隣にいる純血種には目もくれず私に話しかけてきた。

「萌々様、心よりお待ちしておりました。」

そして今度は私達2人を目で捉えて口を開く。

「萌々様はこちらに。」

「スピネル・レイ。お前はこっちだ。」


2人は案内をするため、バラバラの方向に歩きだした。