望遠鏡



茜の行動は全て把握している。



起きる時間


家を出る時間


帰ってくる時間


寝る時間





流石にお風呂やトイレの時間までは調べていない


だって、そんなことするのは気の狂った奴だけだろ?






隣で可愛く微笑む茜にはいつまでもずっと幸せでいてもらいたい



その為なら僕は法律をギリギリまで破ったって構わない






「そういえば最近このあたりで不審者が出るって知ってる?」



「不審者?」



「うん。遊びに行こうって誘われるらしいんだけど龍樹くん、気をつけてね?」


"可愛い顔してるから連れてかれちゃうよ"




その言葉に心臓がきゅっと握られたような感覚になる




あぁ、この子は冗談でも嘘でもなく本気でそう思ってる!



可愛いのは僕じゃなくて君の方だ!君以外にその言葉が似合う人はこの世にはいない!







「ありがとう。でも、僕より茜の方が気をつけないと女の子なんだからさ」



「はーい!気をつけまーす!」







気の抜けた返事を返され僕が小さく微笑むと茜も笑顔になる




大丈夫。茜が気を張らなくてもいいようにさっさとその不審者なんとかするからね




世間話に花を咲かせながら今日も教室まで茜を無事に送り届けるという仕事は終了した