状況的に、10年位前に付き合って、子供が出来たと知らずに別れていても不思議ではない。
その頃のことはゆきも知らない。
ただ、そうなると当時彼女は高校生くらいということになる。
それはそれで別の問題が。
けれど、それならかずみの態度も納得がいく。妹を身籠らせた責任をどう取るつもりかと。
連れてきたものの気まずくなり、陽もいるので、外に行こう、と促しすぐに出た。
が、
「違いますよ。冗談やめてください」
あっさり否定した奈都。
「ええっ!?」
「お付き合いしたと思ってるなら琉さんの勘違いです。彼氏の愚痴を聞いてもらっただけで」
「だって、元彼女ですって!!パパって言ったっすよね!?どう見ても」
「…元彼女は嘘です。連れの人を見て意地悪言いたくなったんです」
数年振りに会ってもこの扱いか。
女って怖い、と琉ヶ嵜に少しだけ同情してしまった業平。
「…一昨年亡くなった、その夫に雰囲気が似てるからでしょう。まだ受け入れられていないんです。あの年頃はそんなもんです」
「そうなんですか……すみません。悪いこと聞いちゃいました」
さすがのゆきも小さくなる。
紛らわしいとはいえ、こちらが勘違いしただけだ。
「ご注文は以上でよろしいですか?」
「あっ、はい」
結局2人で、3人前を頼んで食べて飲んだ。

