「……嫌です」
「えっ…」
「あんた靖美に何したんだよ?!泣いてんじゃねえか!!」
阿智が、琉ヶ嵜に怒鳴り付ける。靖美を抱き締めながら。
「…離れろ」
それしか出てこなかった。
「離れろってんだろうが!!!」
駆け寄ろうとした琉ヶ嵜に、
「嫌です!!もう信じられない!!あなたとは結婚できません!!」
泣きながら叫んだ。
ビクリと固まる。
初めて見た、取り乱した靖美の姿に、近付くこともできない琉ヶ嵜。
「ち、違うって、話を、聞いてくれ…」
「聞きたくない!!」
阿智に胸を埋めて泣きじゃくる靖美を目の前に動けなくなってしまった。

