店の前は広めの歩道で、目の前に横断歩道のある角地だった。
靖美が飛び出したところに、バイクが走ってきて急ブレーキを掛ける。歩行者信号は赤だったが、見る余裕があるはずもない。
キキーッ!!
「久我!!」
「靖美!?」
琉ヶ嵜が、ハッとする。
フルフェイスのシールドを開けて顔を出したのは、阿智だった。
当たってはいない。驚いてへたり込んだ靖美に、バイクを止めて駆け寄る。
「大丈夫か!?なんでこんなところに…」
「亮ちゃん、亮ちゃあん!!」
ズキン、とする琉ヶ嵜。
泣きながら阿智にしがみつく靖美。
「……離れろ…」
思わず口にしていた。

