「母校の傍の海でプロポーズう!?しかも海に叫んだ!?そんな青臭いことあの店長さんが!?」


「シーッ!!声が大きいです!!ゆきさん!!」


靖美がわたわたする。


久し振りに開いた店に、そこそこ客が賑わっていた。声に驚いて振り向く。


琉ヶ嵜は配達に出ていた。


来月から復帰予定のゆきが、子供たちを連れて遊びに来ていた。


「あのオジチャンがそんなことするの!?」


上の女の子、胡桃(クルミ)はませていた。さすがゆきの子だ。


「なんですって!?ぷぷ、プロポーズ、されたんですか!?靖美ちゃん!!」


交番の警官まで、一目姿を見ようと駆けつけていた。結局何の役にも立たずじまいだが。


「大変だあ!!みんなに知らせなきゃあ」


「やめてやめて!!」


慌てるがもう遅いだろう。明日には広がっている。


帰った琉ヶ嵜に、


「お前なんか、死刑だ!!」


言い逃げした。


「なんだありゃあ…」