ポットに残っていたお茶をそれごと浴びせた靖美。まだ湯気が立っていた。
「あっち!!何する…」
驚いて立ち上がり、髪を掻き払う琉ヶ嵜。
「店長さんのバカ!!もうほんとに知らない!!」
声が震え、泣いていた。
部屋を飛び出す靖美。
「はっ!?いや、おい…」
呆然とした琉ヶ嵜。
女を泣かせるほど付き合ったこともないが、靖美の涙に衝撃を受けた。
「あ~あ、やっちゃった」
「お前らまで!!」
「あの全集」
「えっ?」
「全百巻なんです。それを纏めて頼もうと思って、家に届けてもらえたらって案内して」
普通は、住所がわかれば調べて出向く。

