仕方なく、屋敷に上げた瓜生。
表にいさせても人目に付く。もう逃げられないと観念したようだ。


マンションも広かったが、輪をかけて広い古い洋風の屋敷に、自分の立場を思わず比べる琉ヶ嵜。


シャンデリアに、ヴィンテージの欧米風の木のチェスト、椅子、大きなソファ。


所詮、女はみんな、こういうのに憧れるんだろうな、こいつも同じか、と。


靖美がお茶を出す。
ちゃっかり居着いてんじゃねえ。と内心、苛立っていた。


「どうしてじゃねえだろ。どんだけ心配したと思ってんだ。ご両親も」


まだ、理性を保ち、静かに語る琉ヶ嵜。


「あっ!!お父ちゃんとお母ちゃんは?!」


来ていたことも忘れていたようだ。


「一旦帰ってもらった。いつまでも留守にできねえしって。倒れたんだぞお袋さん」


「ええっ!?大丈夫なんですか!?」


「誰のせいだと思ってんだ。バカ野郎が」


うっ、と言葉に詰まる靖美。


「……ごめんなさい…」


「大体、なんで付いてっちゃったのよ」


ゆきが出されたお茶を口にする。寛ぎすぎだ。


「それは…」