「何の話です?」
「残念ですが、声の記憶力は人一倍なもので。お電話で、お探しのお嬢さんはこちらにいます、と仰ったのは貴方ですよね?」
落ち着け、と、深呼吸する瓜生。ここでボロを出したら思う壺。終わりだ。
「どうなさいますかと仰ったので、ご迷惑ではと引き取りに伺ったんですが」
「とにかくお引き取りください。僕は何も知らない」
「そうですか、仕方ないですね。また伺いますが、よろしいですか?しつこいですよ?私は」
「僕は何も知らない!!因縁をつけるなら警察を呼びますよ!?」
「どうぞ」
言ってみたが、押し出され、乱暴にドアを閉める。素早く鍵を掛けた。