「業平…」
「嫌っすよ」
「まだ何も言ってねえ」
「だ・か・ら、わかりやすいって言ってるっしょ?様子見てこいとか、説得して連れてこいとか、言いたいんでしょ??」
うっ、と言葉に詰まる。
バレている。
「自分で行きゃあいいじゃないっすか!?何のために俺が抜けたと思ってるんすか!!面倒見切れないっすよ」
業平にまで怒られる。
それはそうだ。俺は業平に何を期待している。大の男が。
「…謝るよ…ちゃんと」
しぶしぶ。
「行ってくださいね?!」
「わかった、わかったよ」
何が悲しくて、こんな若いのに説教されなきゃいかんのだ。
惑わされ過ぎだ。どうした俺。
気持ちと頭が別行動して訳がわからなくなる。
いないと気になる。寂しい気もする。
しかも、この状況では仕事にも支障が出る。確かに若干客足が減っている気もしなくはない。
「いつもの子は?」
「娘さん休んでるの?風邪??」
何なら最近来だした老婆は、琉ヶ嵜の娘だとさえ思っている。

