「父と母と、亮ちゃん、阿智亮介(アチリョウスケ)くんです。幼馴染みで」
「彼氏です」
被せるように訂正する。
「えっ!?」
思わず声が揃う靖美と琉ヶ嵜。
「いいじゃん、そんなようなもんで。っていうか、この際、彼女になってよ。バイト先でも一緒なんだし」
目の前で口説かれ、言い返すこともできず、固まる琉ヶ嵜。
「ば、バイト先って…」
「あれ?聞いてません?コンビニの早朝と夜間のバイト、一緒にしてるんですよ。ね?」
さらに密着する。
「この辺でバイトしてるっていうのは聞いてたんです。最近たまたま行って、ばったり会ったんですけど…」
「口説き落として頼み込んだんです。いい看板娘でしょ?」
何だこの勝ち誇った空気は!
ムカつくが、この場で、この状況では何も言い返せない。
第一、靖美がそれでいいなら、文句を言う筋合いもない。
また一人モヤモヤする琉ヶ嵜。

