「なんて書いてたか覚えてないか?」 業平が目録を見ながら。 「えっと、確か、……なんとか、全集??」 「ひょっとして、これのことか??」 書籍の棚に行き、一冊手に取ってきた業平。 「あっ!!それかも!!」 「はあっ!?」 店にあったんじゃねえか、と。 「連絡してみます!!…ってそうか。お客様の番号もわからなくなったんだ…」 はあ~っ、とため息が出る。 「そのうちまたいらっしゃるだろう。仕方ない。モノはあったみたいだし」