「すみません。寝てました」


「はあ!?」


「結局、予定なくなったんで。あと、店長さんの番号、まだ登録してなくて」


けろっとした顔で靖美。
知らない番号だったので電源を落としていたのだ。


「おいおい」


「こういう奴なんです。ね?面倒臭いっしょ??」


すっかり元気になった業平。大学生で暇潰しに着いてきているらしいことはわかった。


いろいろ妙に納得した。


「で、メモはあるのか?」


「えっと、確かここに…あっ!!」


「今度は何だ」


「お洗濯して、こんなになっちゃいました…」


支給した店名入りのエプロンのポケットから、くしゃくしゃに丸まった紙が出てきた。


「洗う前に見るだろ普通…」


「えっ??そんなことするんですか??」


だからそうなってるんだ、と言う気も失せた。


「どうしよう…」


さすがに困った。そのメモは紳士と靖美しか見ていない。いやむしろ、靖美は文字すら見ていないかも知れない。