業平たちと顔を合わせないまま、会場に促され、扉を開けた。


「何じゃありゃあ!?」


教会の突き当たり。神父のいる十字架の横に、2メートルはある高さの大きなパネルがあった。


小さな写真が合わさって、琉ヶ嵜の1枚になったものだ。


これじゃあ俺がものすごいナルシストみたいじゃねえか!?
と別の恥ずかしさで赤くなる琉ヶ嵜。


「ナリくんの仕業!?っていうかナリくんは???」


「そういえばそうた!!あいつらどこに!?」


キョロキョロ見渡す2人。


なぜかドレスアップしただけの2人が、招待客の中から姿を見せた。


「どういうこと???」


「ダブル挙式はフェイクっす!!」


「はあ!?」


「みんなで祝おうと思って。こうでもしないと式するって言わないっしょ」


「だって、彼女は???」


「それも、フェイクで、協力してもらった、ただの従姉妹っす!今回はテンチョーさんと靖美のために、はっちゃけました!!」


完璧に騙せた!!と、
イエーイと、ハイタッチする業平と可奈子。


「騙すにはまず身内からってね??俺はみんなのアイドルっすから!!まだ当分いいっす、ってことで」