そうして、私達は田町オフィスにたどり着いた。

田町オフィスの外面が、太陽の光に照らされていっそう輝いて見えた。

「ねぇ、司先輩・・・?」

「ん?なんだ・・・あぁ」

小首をかしげる先輩の顔を上目遣いで見て・・・、唇に人差し指をそっと置く。

先輩は、やっと理解してくれたようだった。

私達は、そのままお互いの唇を重ねた。

ーーーなんて、幸せなんだろう。好きな人と、こんなこと出来るなんて。

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
「湯川、まだ出来てねぇのかよ。あの、資料。何日かかってんだよっ!」

「はっ、はい、すみません・・・」

私には、司先輩と近望先輩という上司がいる。近望先輩は、凄く厳しくて・・・いや、私だけに厳しい気がする。

「はぁ〜。社長に気に入れられてるからって、調子のんじゃねーぞ、ブス!」

ちょうどほかの社員達はランチに行っていた。司先輩は・・・トイレだ。

私を庇える人は、今いないってわけね。

「ブスは、仕事も出来なくていいんだよっ!でしゃばんじゃねーよ、お前のおかげで、俺がかすむんだよ!」


近望先輩はそう言って、私の頭を資料で何度も叩いた。痛い、痛いっーーー!

「おいっ!なにやってんだよっ!」

声のする方を振り返る。司先輩っーーー!

「チキに触んじゃねーよ!そもそも、チキに無理難題を押し付けてんのはお前だろ!

ここ数日でここまでやるなんて、チキ、お前すげぇよ・・・」