「お…また会ったな」

嫌でも覚える鬱陶しい顔

蒼髪、長身のあの男だ。


「誰かさんのせいで、お前は鞄1つ盗って来れないのかって追い出されました。」

「誰だそいつ。酷い奴だなぁ」


男の鈍感さに呆れて、溜息をつく。

「ん?何だ?そんなに深刻なのか?」

はてなマークを浮かべながら聞いてくるソイツに

いかりより、呆れが勝ってしまう。

「はああああぁー」

あたしは

わざとらしく溜息をつく。

「それで?追い出さたって事は今日、帰るとこないんだろ?」

「え・・・」

「俺、冒険者やってんだけど、いまそこで宿取ってんだ。来るか?」

あまりにも早く話が進み過ぎて唖然としていると

男は来いよポーズをしてくる。

(よく考えてみて・・・)

(こんなどこの馬の骨かもわからない男にちらほらついていって・・・)

(しかも一緒に寝るとか・・・!)Σ(///□///)

「絶対に無理ーっっっ!!!!!」

あたしは赤面しながら回れ右をし、全力疾走した。

(何されるかわからない・・・!)

(新手の誘拐かもしれないわ・・・!)

あたしはあの男の誘いを断ってしまったせいで

行くあてもなく、座り込んでいた。