歓迎会とは、名ばかり


皆、ただ飲みたいだけね…




なんて、冷ややかに見ていて




あぁ 下の者は酔い潰し


幹部らだけで、襲撃に備えるのね



彼らの優しさは、女の私だけでなく


仲間にも向けられている





幹部らが、帰る為に立ち上がる

私も立とうとすると


「お福さんは、この酔っ払いの見張りして下さい」


「断ります
見てて楽しいものじゃないもの」


「お福が強いらしいとは聞いたが
着物で動き辛いだろ?」


「あら、いつも着物ですよ」



沖田さんと永倉さんがしぶしぶ

私を連れて帰ることにしてくれた





島原から、屯所まで

ほんの少ししかない


島原の門を出ると、あっという間に


囲まれた





見渡すと1人だけ



私の顔に反応した




兄を知っている…








近藤さんが、手向かうとなんとかって

言っている最中に


私は、その男に向かって歩き出した


「お福さん!!」

「ちょっと待て!おい!!」



私のお目付役であろう

沖田さんと永倉さんが狼狽える





男の顔色が変わった






「退けっ!!」