明日へ馳せる思い出のカケラ

 神様はどこに行ってしまったんだろう。
 最悪のタイミングで祝賀会会場に駆け付けた君と鉢合わせしてしまった俺。

 君が息を切らせているのは急いで駆けつけて来たからなのか。
 それとも俺と彼女のキスする姿を瞳に焼き付けてしまったからなのだろうか。

 ただ君の息遣いがやけにはっきりと聞こえてきた事だけは覚えている。

 どう釈明すれば良いのだろうか。
 どう誤魔化せば許してもらえるのだろうか。

 でもそんな事を考える機能を俺の脳ミソは持ち合わせてはいなかった。
 いや、完全に崩壊し、機能停止の状態に陥ってしまったんだ。


 俺はそれほどまでに罪深い過ちを犯したとでもいうのか。
 全世界を敵に回すほどの報いを、どうして受けなければならないのか。

 たとえ全てが俺の責任だとしても、でもこんな仕打ちって残酷過ぎやしないだろうか。


 過去の過ちを清算し、彼女との関係を終わりにするはずだった。
 君と改めて未来に歩む決意を強く願ったはずだった。

 それなのに、全てが終わりを告げたのは俺と君の方だったんだね。

 俺は走り去る君を追い駆けもせず、また呼び止めようともしなかった。

 まるで俺だけの時間が止まってしまったかのような、そんな重苦しい感覚に覆われてしまったから。

 そして感じるのは彼女の唇から伝わる微かな温もりと、高止まりする俺の胸の鼓動だけだったんだ――。