そんな彼らに対し、俺が心を開くのは至って自然の流れであり、さして時間は掛からなかった。
なにより同性の仲間達と遊ぶ時間を共有する事が、俺にとっては非常に新鮮であり、また理屈抜きに楽しかったんだ。
その結果、俺は君を一人置き去りにして、彼らとの戯れ事を優先する様になっていた。
どこか同性との気兼ねの無いバカな繋がりに、居心地の良さを覚えていたんだろう。
酒を飲んだり、マージャンをしたり、時にはナンパに繰り出したりもした。――まぁ、それは成功には至らなかったけどね。
でもそんな他愛のないお遊びに、俺の心は今まで感じたことの無い喜びを抱かずにはいられなかったんだ。
その時の俺は意味も無く得意げな表情をしていたのかも知れない。
気分上々の日々を送り、付け上がっていたろうからね。だけど君はそんな俺を快く送り出してくれたんだ。
「行ってらっしゃい」って、笑顔を浮かべてね。
たぶん君の事だ。疎外され続けていた俺が、陸上部の仲間達と楽しそうに出掛ける姿が微笑ましかったんだろう。
みんなと打ち解け合えた事が、君にとっても嬉しかったんだろう。だから君は何も言わずに俺を送り出してくれたんだ。
一人になるのが寂しくてもね。
それにきっと君は信じていたはずだ。俺が君の元に帰ってくるのだと。
今は初めて味わう男友達と遊ぶ楽しさに呆けているだけで、それが落ち着けばまた今まで通り自分と一緒の時間を大切にしてくれる。そう信じて疑わなかったはずなんだ。
だから君は寂しくても、俺が遊びに行くのを止めなかったんだよね。
でも俺はそんな君の気持ちを、これっぽっちも考えていなかった。
それどころか、増々仲間達との時間を優先するようになっていたんだ。
「明日こそは必ず君との時間を作るからさ」
なんて、口から出任せを並べてね。
君のいる生活を何よりの中心としていたはずなのに、いつしか俺は仲間からの誘いの連絡ばかりを待ち侘びる様になっていた。
今になって思えば、そうまでして彼らと遊ぶのに何一つ意味は感じられない。
けれどその時の俺は自分の愉悦を満たしたいが為だけに、君を一人残して毎晩遅くまで遊び呆けていたんだ。
携帯に残った君の着信記録に気付かないフリまでしてさ。
そして更に救われなかったのは、君と過ごす時間を無下にしてしまった事だ。
俺と会えない時間が増えた分、君は一緒にいるその瞬間を今まで以上に大切にしたかったんだろう。だから君は俺に対し、それまで以上に多くを語り掛け、また甘えもしたんだ。
なにより同性の仲間達と遊ぶ時間を共有する事が、俺にとっては非常に新鮮であり、また理屈抜きに楽しかったんだ。
その結果、俺は君を一人置き去りにして、彼らとの戯れ事を優先する様になっていた。
どこか同性との気兼ねの無いバカな繋がりに、居心地の良さを覚えていたんだろう。
酒を飲んだり、マージャンをしたり、時にはナンパに繰り出したりもした。――まぁ、それは成功には至らなかったけどね。
でもそんな他愛のないお遊びに、俺の心は今まで感じたことの無い喜びを抱かずにはいられなかったんだ。
その時の俺は意味も無く得意げな表情をしていたのかも知れない。
気分上々の日々を送り、付け上がっていたろうからね。だけど君はそんな俺を快く送り出してくれたんだ。
「行ってらっしゃい」って、笑顔を浮かべてね。
たぶん君の事だ。疎外され続けていた俺が、陸上部の仲間達と楽しそうに出掛ける姿が微笑ましかったんだろう。
みんなと打ち解け合えた事が、君にとっても嬉しかったんだろう。だから君は何も言わずに俺を送り出してくれたんだ。
一人になるのが寂しくてもね。
それにきっと君は信じていたはずだ。俺が君の元に帰ってくるのだと。
今は初めて味わう男友達と遊ぶ楽しさに呆けているだけで、それが落ち着けばまた今まで通り自分と一緒の時間を大切にしてくれる。そう信じて疑わなかったはずなんだ。
だから君は寂しくても、俺が遊びに行くのを止めなかったんだよね。
でも俺はそんな君の気持ちを、これっぽっちも考えていなかった。
それどころか、増々仲間達との時間を優先するようになっていたんだ。
「明日こそは必ず君との時間を作るからさ」
なんて、口から出任せを並べてね。
君のいる生活を何よりの中心としていたはずなのに、いつしか俺は仲間からの誘いの連絡ばかりを待ち侘びる様になっていた。
今になって思えば、そうまでして彼らと遊ぶのに何一つ意味は感じられない。
けれどその時の俺は自分の愉悦を満たしたいが為だけに、君を一人残して毎晩遅くまで遊び呆けていたんだ。
携帯に残った君の着信記録に気付かないフリまでしてさ。
そして更に救われなかったのは、君と過ごす時間を無下にしてしまった事だ。
俺と会えない時間が増えた分、君は一緒にいるその瞬間を今まで以上に大切にしたかったんだろう。だから君は俺に対し、それまで以上に多くを語り掛け、また甘えもしたんだ。
