自嘲気味に小さく微笑んで窓の外へ顔を向ける

キーンコーンカーンコーン
「はい!皆さん席についてくださいっ」



やっとざわざわした喧騒も収まり、授業が開始される




「き、きりーつ れーい ちゃくせーき」


モブの間延びした号令を横目に頬杖をついてイヤーカフスを弄る


これは癖、といえばそうなのかも



ちらっ


(…)



すっ



「はい…じゃぁこのところを…中沢くんっ」



「え…ええと…」



ちらっ



「……だから…で………です」



すっ



「うーん惜しいですねぇ
正解は……を……なので………となります」



………



視線を感じる



相手は…見なくてもわかる

あの子だ 




(…なにか私に問題が?)


アンティーク気味の手鏡を覗き込んで前髪を整える

(この隈?)



ぱちぱちと瞬きをして目の周りを伸ばすようにする。



服にゴミが付いていないのもチェックし、再び前を向く



ちらっ

(っ!?)パチッ



ばっちり目があって慌てて下を向く