『菊川 美春(きくかわ みはる)に告白するべし!』







それが祐大から出された罰ゲーム。





ー……






「何が面白いんだよ。俺無理だぞ。告白なんかやったことねぇもん」






「「はっ?!」」






俺の発した一言に、かなり驚いている2人は、目を丸くしてこっちを見た。






「えっ、なんだよ…」





「いや、だって想太結構女の子と付き合ってたよね?」






澪菜は机に手を当て、身を乗り出した。






幼馴染みの澪菜は今まで俺が付き合ってた女子の数、大体はわかるんだろう。







「だよなだよな。高校入ってからも2・3人…いたよな…」






祐大も言葉を続ける。





うなずきながら俺を睨みつける。






高校からの親友の祐大も、やっぱり俺の付き合った女子の数を覚えているようだった。






「あ、あれは…あっちから告白してきたから…」






なんか、断れないし、申しわけなくて…。






二人の視線から逃れようと俺は目を背けた。






そんな俺に痺れを切らしたのか、祐大は小さくため息をついた。






「まぁ、とりあえず俺に負けたんだからやれよな」







ポンッと俺の肩を叩いて祐大は得意のニヤつきを放った。






「振られたら慰めてあげるからね!想太」






澪菜までにやっと笑って






もう少しで6時間目始まるからじゃあね!






と、自分の席に帰ってしまった。






「頑張れよ想太。今日の放課後な!ハハッ!」






そう言って祐大も、前に向き直し寝る体勢に入る。






次の授業は…





化学か。







机の上に投げ出された罰ゲームの紙を、そっと引き寄せる。





やりたくないなぁ…






でも約束破るわけにもいかないよな…