「行こうか」
「うんっ!」
帰る支度をして資料を元に戻して。
そして俺達は図書室をあとにした。
俺達が校舎を出た時にはもう、あんなに輝いていた夕日がすっかり沈んでしまっていて、空は赤から紺に変わろうとしていた。
「あ、あのね想ちゃん」
校門を出てすぐ美春は口を開いた。
そうして自然とお互い手をつなぐ。
「ん?何?」
美春は身長が小さいから歩くのもちょっとテクテクしてて幼い。
こんなこと本人に言ったらきっととてつもなく怒られるだろうけど。
「4人で、遊園地…行かない?」
美春からの意外な提案に少しびっくり。
だけど遊園地なんて中学生の頃に行ったきりで久々だから、なんだかテンションが上がった。
「遊園地かぁいいな!久しぶりだ。でも4人って俺と美春と…あと2人は?」
多分2人のうち1人は祐大だろう。
そこまではだいたい検討がつく。
ただもう1人がわからない。
この3人であと誰が…
「うん。私たちと、祐ちゃんと…澪菜ちゃんの、4人」
「えっ?!澪菜?!」
澪菜という名前が美春の口から出てきたことに俺はすごく驚いて、つい声が…
また通行人にジロジロ見られる。
今日は運が悪いな…