美しい春









自分から告白するってこんなに緊張して、こんなに恥ずかしかったなんて知らなかった。






『そ、想太…行ってくる!』








美春はあまり顔を見ずにさっと手を離し、教室を出て行った。







美春も顔が赤かったな…







あまり時間をかけず帰ってきた彼女を俺は駅まで送る。







そこから俺と彼女の帰る方向が真逆だから。







本当は送って行きたいけど、裕大に見られたらなんだか恥ずかしい気がした。








決してバスや電車に乗る訳では無いけど、ここの駅は結構大きくて俺も良く裕大と遊びに来る。







そしてうちの高校だけでなく規模がでかい駅だから、ほかの高校の生徒も溜まりに来る。







ということは、つまり……







視線が痛い。







そこに溜まってる男子。







歩いてる女子。







あらゆる方面からの視線が、『リア充』というレッテルを貼られた俺達を見ていた。







いや、見ているわけじゃない。







睨んでるな、これ。