「…りん先輩が……」 風が吹き抜ける、肩にこもる力がいっそう伝わってくる わたしは瞳を閉じて告げる 「りん先輩のことがす…」 すると突然、タイミングよく携帯電話の着信音が鳴り響いた それでも一倫はわたしを見つめていたが、瞳を逸らせて携帯電話に出る 何しろこの着信音は大航だと分かっていたから 「ごめんなさい、電話に出なきゃ」 一倫は落胆した様子を見せると肩から手を離した