河川敷の草原に横たわって上に一倫がのしかかっているような状態で 片手は依然として握られたままだった あいているもう片方の手でわたしの肩まである髪を撫で、頬を撫で、親指で唇の輪郭をなぞった 「たい君と別れることなんて出来ないよ……彼は命の恩人だし……」 「命の恩人?…それはきっかけにすぎないだろ。その恩に依存してるんだよ」