「大航とはどこまでやってんだ?…琴美ちゃんの口に訊いても無駄みたいだな」 そう言うとわたしの心臓辺りに耳を当てて心拍数を聞いているみたいだった 「そんなことっ…デリカシーがなさすぎる」 「おいおい、デリカシーがないのは琴美ちゃんの方じゃない?」 そういいながら腕の付け根から手首へとすーっと掌をすべらせて わたしの掌までくるときつく手を握った 急に握力が加わった驚きのせいで不覚にもか細い声が出てしまった