悪いキス


その日の放課後

わたしが荷物をかばんに片付けたと思うといなや
彼は当たり前のようにわたしのもとへやってきた

「よし、一緒にかえろ」

わたしがきょとんとしている隙をついて彼はまた手を握ると
わたしたちは猛烈ダッシュで教室を飛び出した

初夏の日差しと深緑が眩しい

心地よい風が通り過ぎるともうすぐ夏なんだと思わせてくれる