待ってよ。どうして私が黒帯だって知ってるの?
私、彼に言ったことあったっけ?
いや……そうだ、思い出した。
昨日、あのbarで今日と同じようなことがあったんだ。
お酒を飲んだ私は浮遊感が楽しくて、迷惑がる侑李とマスターを尻目に元カレの愚痴をこぼしながら、あの後も何杯かお酒を楽しんでいた。
暫くして、店内は私達だけになった頃。
いかにも怪しい黒ずくめの男たちが入って来て、侑李の後ろに近づいた瞬間、いきなり侑李めがけ襲い掛かってきた。
驚いた私は思わず習っていた空手で応戦。
狭い店内。椅子やグラスが壊れ、これ以上の破壊を防ぐため、私は侑李の手を取って店を飛び出した。
その時は追い掛けてくることなく、私達は少し離れた公園で休憩がてら話をしたんだ。
今日のように――。
あの日、公園で彼が襲われる理由も聞いた。
『俺は、アルビノっていう先天性疾患なんだ』
『……ある、びの?』

