夕陽が沈み、空に満月が輝く頃。
私たちの結婚式が始まった。
私の隣には、黒いタキシードに身を包んだ櫻井さんの姿。
少し緊張しているみたいで、さっきから深呼吸を繰り返している。
私には両親がいないため、彼に頼んだのだ。
最初は「私は使用人ですから」と断って来たのだけだけど、何度も交渉してやっと首を縦に振ってくれた。
スタッフの合図により、チャペルの大きな扉が音を立てて開く。
私は深呼吸をして、一歩前へ踏み出す。
参列席には、侑李の姉弟や有栖川さんや侑李の事情を知っている出版社の数人の人達、私の書店員時代の友人などが並んでいる。
私も侑李も、呼べる知人が少ないから少人数で、こじんまりと挙げたいと考えていたから、これくらいが丁度いい。
純白のAラインドレスを見に纏い、レースのヴェールを揺らしながら、一歩一歩ゆっくりと侑李の待つ祭壇へ。
彼はライトグレーのタキシードを着て、待っていてくれる。
長身の侑李は、何を着ても様になるとは思っていたけれど今回のソレは別格だ。
誰もが見惚れる程に格好良い。
「涼花」

