人間嫌いの小説家の嘘と本当


すくっと立ち上がり、自室に向きを変える侑李。
そんな彼が何をしようとしているのか分からなくて小首を傾げた。



「行くって、何処に?」

「いくら雑誌を睨んでも、決まらないなら行くしかないだろ?百聞は一見に如かずって言うしな」



振り返りそう言うと、着替えに自室に入ってしまった。
確かにココで悶々と考えるよりも行って確かめた方が、チャペルの雰囲気やスタッフからの情報など得られるかもしれない。



「わ、私も着替えなきゃ」



普段着でいる自分に気付き、慌てて自室に戻る。
彼のプロポーズを受けた日から、私は侑李の部屋で寝るようになった。

時々は一人で寝たいときもあるけれど、侑李が徹夜しているときなど、実際そうなってしまうと寂しくて夜中に何度も目が覚めてしまったりする。

結局、コーヒーを淹れたりしながら侑李の邪魔にならないように、気を付けながら同じ部屋に居てしまうのだ。

着替えや荷物は、今までと変わることなく部屋置いている。

侑李は、いっそのこと一部屋にリフォームするか、なんて冗談で言うけれど、時々“冗談”に聞こえない時があるから怖い。