「何を仰っているんですか。ここはラブホテルでは無いんですよ。お二人とも、もっと自粛してください。分かっていますか、蒼井様!」

「は、はい!!」



ご尤もです。返す言葉もありません。

男の侑李とは違い、何も身に着けていない私は、そう簡単に動けなくて、ベッドを盾に二人に背を向けたまま頭からシーツを被っていた。



「蒼井。服着ないの?」



どこまでもマイペースを崩さない侑李の声に、顔だけ振り返る。



「あの、二人とも出て行ってくれますか」



そうでないと着替えられません。
涙目になって訴えてみるも「んなもん、今更だろ」とくつくつ笑う侑李。

この顔は、絶対面白がってる。この性悪男!!



「では、私は外で待っています。お二人とも、三十分以内に荷物を纏めて出て来て下さいね」



櫻井さんは、病室から出ようと背を向けた。