人間嫌いの小説家の嘘と本当


「訳わかんない。侑李なんて大っ嫌――」



右腕を侑李めがけ振り下ろすけど、難なくそれは捕まり、言い終わらないうちに左腕も捕まれ唇を塞がれる。

勢いのまま両腕を頭上に上げ、押し倒された体は柔らかなベッドに沈み込む。

角度を変え何度も唇を押しあて、次第にそれは深くなり、私の唇を割り生暖かい舌が口内に差し込まれてくる。



「っ、止め――」



抵抗したいけど、侑李に掴まれた両腕はビクともしない。
目をギュッと瞑り、なすがままにキスの嵐を受け入れるしかなかった。



「……蒼井、俺を見ろ」



なんで泣きそうな声で、そんなこと言うの。
好きじゃない癖にキスをしてくる侑李も、抵抗できない自分自身も嫌いだ。

悲しくて悔しくて、いろんな感情が渦巻いて胸が苦しい。
思わずポロリと涙が目尻から零れ落ちた。



「ぃや――」