人間嫌いの小説家の嘘と本当


工場……まさか、あの時思っていたことが口に出てた?

何て言ったのかなんて今更どうでも良い。
ただ言ったことを覚えていない自分自身に、無性に腹が立つ。



「いや、でも……侑李は私の事なんて好きじゃないでしょ。困らせてゴメンね。忘れていいから、だから――」



涙を拭い、自分に保険を掛けるように、振られても傷つかないように、早口で次々と言葉を並べ立てた。



「忘れる訳ないだろ?」



な、んで……そんな傷ついたような顔するのよ。
侑李も私のことが好きなんじゃないかって、勘違いしちゃうじゃない。
私の事なんて、猫同然にしか思ってない癖に――。



「……でも、確かに好きでは無いな」



そうだろうとは思ってはいたけれど、実際に侑李の口から聞くと、ショックが大きい。

止まっていた涙が再び溢れ出し、雫がまた一つ頬を伝う。
それを見られたくなくて両腕を目の前でクロスし隠す。