「ゴメン、相手に子供が出来たんだ。別れて欲しい」



通りから少し外れたカフェの一角。

テーブルを挟んだ目の前で、深々と頭を下げる男に
何度も目を瞬かせながら、今飛び込んできた彼の言葉を頭の中で繰り返していた。

アイテニコドモガデキタ……ワカレテホシイ……??

いきなり過ぎて整理が追いつかない。
どういう事?私達、結婚するんだよね?

式場の日取りも決めて予約もしてるし、ドレスだって明日決めに行く約束してたのに。
なのになんで別れることになるの……。

第一”相手”って誰?
ましてや子供って――何が起きてるの?
分からないことが多すぎて、頭がパニックを起こしそう。



「真幸、説明して……子供って何?嘘でしょ?」



テーブルに両手をつき、前のめりに問いかける。