人間嫌いの小説家の嘘と本当


その体を真幸は抱き締め、耳元で囁く。



「目が覚めたら、全部終わってるから」



終わってるって何よ。こんなところで眠ってなんかいられないのに。
真幸には、まだ言いたいことも聞きたいことも沢山あるの。

なのに、なんで――。

閉じようとする瞼を、必死に開けながら彼を見詰める。
意識が途切れる寸前見えた彼の顔は、眉が下がり今にも泣き出しそうだった。



「ごめんな。今まで、ありがとう」