人間嫌いの小説家の嘘と本当


しまった、見つかった。
身を堅くし相手の出方を見る。



「涼花、何やってるんだよ」



この声は、真幸?
一気に肩の力が抜け、安堵の息を吐きだした。
真幸は直ぐに駆け寄り私の体を抱き起こす。



「真幸、お願い。私をココから逃がして」



あの時の真幸は後悔をしているように見えた。
私が気を失う前の彼の姿を思い出して懇願する。



「ゴメン。俺には出来ない」



昨日の威勢は何処へやら。すまなそうに項垂れて、私の体についた埃を落としていく。
一筋の希望が絶たれた気がして意気消沈してしまう。



「私、あの人を助けたいの……逃がしてくれたら、私何だってする。真幸と結婚してもいい。だから――」

「……お前、そこまでアイツのことを――」