人間嫌いの小説家の嘘と本当


もう二度と侑李と会えないの?
嫌だ……会いたい。会いたいよ、侑李。

次第に目頭が熱くなり、自然と涙が溢れ出す。
頬を伝い幾つもの雫がソファを濡らしていく。

これじゃ真幸に別れを告げられた時と何も変わってない。
泣いても何も変わらない。ここから出る方法を探そう。
私と侑李。どちらも助かる方法を探さなきゃ。
グイッと、片袖で涙を拭い気合を入れなおす。

くっ……このロープだけでも、外れれば――。
ずっと繋がれたロープが擦れ血が滲んでいるのか、身を捩るたびに痛みを感じる。

何か尖ったものがあれば、切ることが出来るかもしれない。
辺りを見回し、さっき踏みつけられたスマホの残骸に視線が止まった。

使えるかもしれない。

ソファから身を乗り出して、出来るだけ静かに床に着地しようと試みる。
けれど両手足が上手く使えない私は、ドンッと勢いよく床に落ちてしまった。



「っ、痛ったぁ……」



負けるもんか。

歯を食いしばり、ミノムシのように体をくねらせながら少しずつ前進。
もう少しでスマホの欠片に届くというところで、扉が開いて誰かが目の前に立ち尽くす。