人間嫌いの小説家の嘘と本当


「あなたの主は、使用人の言葉を一切聞いてくれない人なの?」



彼を止めることが出来れば、侑李への危害も無くなるかもしれない。
一縷の望みを掛け、言葉を投げかける。



「そんなことは――っ、少ししゃべり過ぎた」



一瞬、苦虫を噛み潰したような顔を浮かべ、話は終わりだと言わんばかりに、彼は立ち上がり部屋を出ていこうとしてしまう。



「ちょっと待って。まだ話は――」



引き止めようとするけれど、振り返った彼の顔は苛立ちに満ち、氷の様に冷たい目で私を見下ろす。



「煩い!!お前は、アイツを呼びよせる餌に過ぎない。なんなら今すぐにでも、その口きけないようにすることだって出来るんだ」



そう言って懐から出したのは、黒光りする拳銃。
その銃口を真っ直ぐ私に向けた。



「っ――」