愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「そういえば、おまえ、出待ちもせずに帰ったんだな。」

「う、うん。」

「おまえの友達はいたのに、なんで帰ったんだ?」

「え?そ、そんなの…恥ずかしいからに決まってるじゃない!」

「恥ずかしい…?」

瑠威はきょとんとした顔で私をみつめる。



「瑠威…そりゃあ、望結だって恥ずかしいし気まずいってこともあると思うわよ。」

ママがお茶碗を瑠威の前に置いて、そう言った。



「なにが恥ずかしいんだ?」

「望結はあなたと違って繊細なの。」

「あ~、酷い!
俺だって繊細だぜ!
でも、なんで出待ちするのが恥ずかしいんだよ。
望結が来てくれたら、俺は嬉しいのに…」

瑠威はそんなことを真っすぐな目をして言うから…私はますます恥ずかしくなった。
だって…瑠威はとってもかっこよくて…
瑠威はママの旦那さんだし、もちろん恋愛感情を持ってるわけではないけど、昨夜はおかしな夢を見たし、あんな綺麗な顔して「望結が来てくれたら、俺は嬉しいのに…」なんて言われたら、そりゃあどぎまぎしますってば!



「ね、昨夜は他のバンドと一緒の打ち上げだったの?」

私は恥ずかしさから話をすり替えた。