愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「そんなことないって!
さゆみは、きっと本当にリクさんのことが好きなんだよ。」

「そうかな。
なんか、自信がなくなってきちゃった…」

「え…だめだよ、そんなの…!
さゆみは絶対本気でリクさんのことが好きなんだってば!」

「……本当にそう思う?」

さゆみがいつになく不安そうな表情で私に訊ねる。



「うん!」

私は気合を込めて頷いた。



「だよね!うん、瑠威には失恋したけど、リクには絶対に頑張るって決めたんだし…
好きになってから、その人のことを知るっていうのもありだよね?」

「う、うん!ありだと思う!」

本当はよくわからなかったけど…今はそう言うしかない。
とりあえず、さゆみが元気になってくれればそれで良いから。



「よ~しっ!頑張るぞ!
あ…私、頑張るのは頑張るけど、汚い手は絶対に使わないから!」

「うん、さゆみはそんなことしないって信じてる。」

「本当?ありがとう!
……あ、からあげ、あげる!食べて!」

「あ、ありがとう!」

私は、さゆみのランチプレートの片隅にあったからあげをひとつつまんで、ぱくりと口に放り込んだ。