愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「応援してくれるのは嬉しいけど、あんたも一緒に幸せにならなきゃ!」

「え…わ、私はいいよ。」

「あんたねぇ…いつもいつもそんなんじゃだめだよ!
うだうだしてたら、若さなんてあっという間になくなっちゃうんだから。
青春をもっと楽しまなきゃ!」



熱い…!熱いよ、さゆみ!
「青春」なんて言葉、久しぶりに聞いたよ。



でも…やっぱり私には無理。
私は、これといった取り柄すらない、どこにでもいる普通の子だもん。
好きになってもらえるはずがない。
それに、瑠威にも釘を刺されてる。
バンドマンを好きになっちゃいけない!って。



(あ、そう言えば、あのこと、さゆみには言ってなかったっけ。
……でも、言わない方が良いよね。
言ったら、気を悪くするだろうし…いや、さゆみなら、そんなことも気にしないかもしれないけど、やっぱり言わない方が良いよね。うん、やめとこう。)



「……どうかしたの?」

「え?あ、あぁ…
そ、そういえば、さゆみって昔からぐいぐい行くタイプだったの?」

その場を取り繕うために、私は咄嗟にそんなことを口にしていた。



「ううん、全然!
私、今まで付き合ったこともないもん。」

「えっ!?そ、そうなの?」

「……璃愛はあるの?」

「え…?そ、それは…ないけど…」

「やっぱり?そうじゃないかって思ってたんだ。
だから、初の彼氏は一緒に作ろうよ!」

「そ、それは……」



なんでだろう?
今まで彼氏がいたこともないのに、どうしてさゆみはそんなに自信を持ってるんだろう??
っていうか、私のこと、やっぱりそんな風に思ってたんだ…事実だけに何も言い返せないけど、ちょっと切ない…