愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

まだ電車がなくなる時間じゃないし、うちはそんなに遠くないから楽勝だ。
あぁ、お腹減った…
感動で胸はいっぱいになったけど、けっこう暴れたからやっぱりお腹がすいた。
そんなことを考えていた時だった。



「ちょっと、あんた…」

後ろから怖い声がして、私は恐る恐る振り返った。
そこには、今日のイベントに来てたと思われる四人組の女の子達がいて、私のことを睨みつけていた。



「……私ですか?」

「そうよ、あんたよ。
ちょっと顔貸しなさいよ。」

「えっ?顔……?」



どういうこと…?



あ、もしかして、私を恨んでるっていう人達…?



(ど、どうしよう!?)


心臓がどきどきして、足が震えて来た。
顔貸せっていうのは、どこかに連れて行くってことよね?
ついていったら…殴られる?
それとも、下手したら……



(こ、こ、殺される……!?)



背中にいやな汗がスーッと流れた。


「あ、あの…わ、私、もう帰らなきゃいけなくて…」

「何言ってんだよ!
私達は、あんたに話があるんだ!」

「で、でも、私…門限があって…」

「ぶりっこするんじゃないよ!」



あぁ、絶対絶命だ!走って逃げるにしても、私、元々走るの遅いし、今日はヒールの高い靴履いてるからとても無理だし…
大声を出して助けを呼ぶ?
でも、刺激したらこの場でなにかされるかな…
本当にどうしよう…!?



まさに、泣きそうになったその時…



「どうかしたの?」



不意に聞こえた声に、みんなが振り返った。