愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

あぁ、なんて気持ち良いんだろう?
耳に馴染んだ曲が、私の身体を勝手に動かす。
客席とステージが一体になるっていうのは、まさにこういうことなんだ。
あんなに恥ずかしかったはずなのに、楽しすぎてそんなこともいつの間にか忘れてしまった。
観客はみんな笑顔で、煌びやかなステージの上をみつめてる。
瑠威は…シュバルツは本当にすごいね。
みんなをこんなに幸せに出来るなんて…
なんだか、瑠威を見る目が変わりそうだよ。



(わっ!)



やばい!瑠威と目が合った。
瑠威はきっと私のこと気付いたはず。
どきどきしながら、瑠威から目を逸らしたら、今度はオルガさんと目が合って、私は反射的に会釈をしてしまった。
オルガさんは、私に向かってにっこり微笑んでくれたけど…



(はっ!)



やばい!
私、シュバルツファンに妬まれてるのに、またいらないことしちゃった!!
でも、今更気付いてももう遅い。
どうか、ファンの子が今のやりとりに気付いてませんようにと祈るしかなかった。
私はもうどこを見たら良いのかわからなくなって…俯いたまま、ノリ続けた。