愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

そんな風に思ってしまうと、さっきの行為がすごく申し訳なく思えて来て…
ちらっと、リクさんの方をのぞき見た。


歌ってる時のリクさん…本当にカッコいい。
メイクをすると、素顔より男っぽくなるんだよねぇ…
きりっとした感じっていうか…



(あっ!)



リクさんに見とれてたら、目が合ってしまった。
私はあわてて視線を逸らす。
それほど悪いことをしたわけでもないのに、なんで、こんなにドキドキしてるんだろう?



なんか、不思議…
CLOWNは今までに出たバンドとはやっぱり違う。
他のバンドもけっこう楽しかったけど…そう、ときめきが違うんだ。
なんでだろ?
他のバンドは初めて見たけど、CLOWNは二回目だから??
そんなの関係ないか…じゃあ、一体……



その時、瑠威に言われた言葉が突然頭の中によみがえった。



『バンドマンには本気になるな』



馬鹿な…
私、そんなこと思ってない。
リクさんやキースさんに抱いてるのはただの憧れ。



そうだよ、アイドルに憧れてるのと同じ気持ちだもん。
だから、ドキドキしただけ。
こんなカッコいい人達だもん。
しかも、眩しいライトを浴びながら、歌ったりギターをバリバリ弾いてる姿は特にカッコいいし。
女の子だったら、誰だってときめいちゃうよね。



(うん、そうそう。
だから、問題ない!)



やっと自分の気持ちに納得出来て、私はまた拳を振り上げ飛び跳ねた。